甲状腺
甲状腺とは
甲状腺は、首の前側に位置する小さな臓器で、体の代謝やエネルギー調整を担う「甲状腺ホルモン」を作り、全身に送り出す役割を担っています。
この甲状腺ホルモンは、体温の調節、心臓や消化器の働き、筋肉や神経の活性などに深く関わっており、生きていくために欠かせない存在です。
甲状腺の働きに異常があると、「甲状腺機能亢進症(こうしんしょう)」または「甲状腺機能低下症(ていかしょう)」という状態になります。
甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、脈が速くなる、汗をかきやすい、体重が減る、手が震えるといった症状が現れます。
甲状腺機能低下症
逆にホルモンが不足し、疲れやすい、寒がり、むくみ、体重増加など、代謝の低下に関連する症状が起こります。
甲状腺の病気は、特に20~50代の女性に多く見られますが、男性や高齢者にも起こる可能性があります。
症状が多彩で他の病気と間違えられることも多いため、気になる症状がある方は早めの受診をおすすめします。
こんな症状ありませんか?
甲状腺機能亢進症で
見られる症状
- 脈が速い、動悸がある
- 急な体重減少
- 手足の震え
- 発汗が増える、暑がりになる
- 疲れやすい、イライラする
- 目が出てくる(バセドウ眼症)
- 微熱、口渇、脱毛、息切れ、筋力低下、下痢 など
甲状腺機能低下症で
見られる症状
- 疲れやすい、気力がわかない
- むくみ(顔・全身)
- 寒がり
- 体重増加、便秘、眠気
- 声がかすれる、肌の乾燥、脱毛、生理不順、記憶力の低下
間違えられやすい甲状腺の病気
甲状腺の病気は多彩な症状があるため、以下のような疾患と間違えられることがあります。
- 自律神経失調症、更年期障害
- うつ病、心疾患、癌、腎疾患、肝疾患
- 糖尿病、高血圧、認知症
しかし、甲状腺疾患と正しく診断され、適切な治療を行えば、妊娠・出産・仕事・運動など、日常生活を問題なく送ることができます。
「いつも調子が悪い」と感じる方は、一度甲状腺の検査を受けることをおすすめします。
甲状腺の主な疾患について
バセドウ病
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される自己免疫疾患です。
動悸、手の震え、体重減少、多汗、イライラなど、代謝が過剰になることで様々な症状が現れます。
目が突出する「バセドウ眼症」を伴うこともあり、眼科との連携が必要になる場合もあります。
橋本病(慢性甲状腺炎)
自己免疫の異常により甲状腺に慢性の炎症が起こる疾患です。
多くは無症状ですが、甲状腺機能が低下することで疲れやすさ、むくみ、体重増加、寒がりなどの症状が現れることがあります。
女性に多くみられるのが特徴です。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンが不足することで、代謝が低下し、冷え、むくみ、便秘、皮膚の乾燥、眠気、気力の低下などが起こります。
橋本病や甲状腺手術後、薬の影響などが原因となります。
甲状腺がん
甲状腺にできる悪性のしこりで、初期は無症状なことが多いです。
進行は比較的ゆるやかで、経過観察で済む場合もありますが、必要に応じて手術やアイソトープ治療が行われます。
甲状腺の検査方法
血液検査
甲状腺ホルモン(FT3、FT4)と甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測定し、ホルモンバランスの異常を確認します。
また、自己免疫疾患の診断には、TRAb、TSAb、TPOAb、TgAbなどの自己抗体検査が有効です。
超音波検査
甲状腺の大きさやしこりの有無を確認します。
放射線を使用しないため、体への負担も少なく、甲状腺腫瘍の発見に有用です。
甲状腺の病気が気になる方は、
福岡市南区大橋の
菅原内科医院へご相談ください
「疲れやすい」
「気分が落ち込みやすい」
「最近太りやすくなった」
など、原因のはっきりしない体調不良が続いていませんか?
その不調、もしかすると甲状腺の異常が関係しているかもしれません。
当院では、血液検査・超音波検査などによる精密な診断と、患者様のライフスタイルに合わせた治療を提供しています。
気になる症状がある方は、ぜひ一度、福岡市南区大橋の菅原内科医院へご相談ください。