コラム
健診結果を放置してませんか?
「最近体重が増えてきた」「健康診断で注意された」が、忙しくて食事制限や運動ができない方は多くいられると思います。健診後だけ頑張ってみたが続かず、気づいたら翌年の健診が近づき、結局結果が変わらなかったり増悪していたり・・・。摂取カロリーを消費カロリーが上回れば痩せますが、年齢とともに筋力低下し、消費カロリーが減少するため以前と同じように食事制限してもなかなか痩せなかったりします。こんなに忙しく頑張っているのにこれ以上の食事制限や、運動なんかできないと思う方も多いでしょう。しかし、生活習慣病といわれる高血圧症、脂質異常症、糖尿病、脂肪肝等はじわじわと体を蝕んで行きます。症状はないためまだ大丈夫と思って変えずに生活していたら心筋梗塞(命に関わったり、その後に心不全になる可能性あり)、脳卒中(麻痺などが残る可能性あり)、慢性腎臓病(透析になる可能性あり)、肝硬変症(腹水がたまったり、肝臓癌になったりします)などの怖い疾患を発症してしまうかもしれません。まだ臓器障害が出ていない今こそ改善するべきなのです。ご存じのようにするべきことは下記です。
・食事制限(糖質・脂質・タンパク質のバランスに気をつけカロリー制限)
・運動(ウォーキング、筋トレなど)
・生活習慣改善(睡眠、ストレス管理)
注意点
極端な食事制限をすればリバウンドの可能性が高くなりますし、筋力も落ちてしまうかもしれません。自費診療で糖尿病薬を使用して痩せる治療も流行しておりますが私はおすすめしません。糖尿病薬はいい薬はたくさん出ているのですが肥満や糖尿病のない方が使用しても、一時的には痩せますが根本的な改善にはならないため元に戻ったり、最悪の場合は筋力も落ちて余計に太りやすくなります。そのためお金ばかりかかってしまいます。また痩せるサプリメントや健康食品もありますがそれだけでは改善は期待できないと考えます。不足しているものを補うために補助的に使うのは良いと考えますが、それだけでは困難です。すぐに結果は求めずまずは負担のかからないことから始めてみましょう。30分歩いた方が良いとよく言われますが、脂肪燃焼の効率を考えるとそれぐらい歩いた方が良いからすすめられます。しかし、それがストレスになる可能性もあります。ストレスのかかることは続けることが苦になります。3日坊主といいますが、まずは3日以上続けられることから始めましょう。その次の目標は3週間続けることです。最後は3ヶ月。それだけ続けられれば後は苦痛なく続けることが出来るようになります。慣れたもの勝ちで習慣化してしまえば苦痛なく出来るのが人間です。まずはこれならできそうという簡単なことを習慣化して下さい。生活習慣病の治療は生活習慣を変えることです。ですが、いきなり完璧な生活に変えることはできません。緩やかに変化させることが重要です。
食事のポイント
私がおすすめする食事は腎機能が悪くなければタンパク質を多く摂取してもらうことです。運動した上で摂取してもらえば筋肉が増え、代謝亢進が期待できます。動物性タンパクと食物性タンパクのどちらも摂取してもらった方が良いのですが、時間がない方も多いと思います。豆腐、納豆、卵に醤油をかけ、混ぜて摂取してもらうとタンパクが多く摂取できお腹も満たされます。納豆卵かけご飯の感覚で摂取できるためタンパク質の摂取量が少なく、炭水化物を摂取しすぎてしまう方にはおすすめです。ランチに外食をされる方は蕎麦や和定食(焼き魚や鶏肉)、コンビニの方はチキンバーがおすすめです。食物繊維やビタミン等も重要なためバランスよくとってもらうのが一番いいですが、時間がない時にタンパク質を補充する参考にされて下さい。プロテイン摂取でも良いですが減量される方は糖質等が多く含まれていないか確認して下さい。
次に食事制限をしているのに健康診断の結果で脂肪肝や血糖上昇などを指摘される方に気をつけて頂きたいことがあります。糖分の摂取量が一緒でも短時間で吸収されるのが良くないと言われています。早食いも良くないですが、同様に加糖飲料は急激に血糖が上昇するため良くないとされていますので、微糖コーヒーや栄養ドリンク、スムージー等をよく摂取されている方は注意して下さい。
最後に
運動と食事を気をつけたら、最後に睡眠を十分にとることです。睡眠不足はホルモンの乱れや脳の混乱により太りやすくなります。ストレスもよくないため無理のない生活を心がけて下さい。仕事も大事とは思いますが、体が一番大事です。健康に気をつかうこと忘れずにして下さい。
生活習慣病の増悪の裏には遺伝的要因やその他がんなどの器質的要因が隠れている可能性もあります。急に増悪する場合やいくら気をつけても改善ない場合などお困りのことがあれば、お気軽に菅原内科医院へご相談下さい。