コラム

【痛風だけじゃない?】高尿酸血症と尿酸結晶の正体

はじめに

健康診断の数値で「尿酸値が高い」と指摘されても、「痛みがなければ放置して大丈夫」と考えていませんか?実は、痛みがなくても体の中では着々と“ある危険な変化”が進んでいます。今回は、高尿酸血症と「尿酸結晶」の関係、そして予防法について解説します。

1. 高尿酸血症とは?

血液の中にある「尿酸」という物質の濃度が 7.0 mg/dL を超えた状態を「高尿酸血症」と呼びます。

水に塩を入れすぎると底に沈殿するように、血液中の尿酸も一定量を超えると液体に溶けきれなくなります。その結果、結晶化して体内に現れるのが尿酸結晶(尿酸塩結晶)です。

2. 体内で起きる「尿酸結晶」の恐怖

顕微鏡で覗く尿酸結晶は、まるで針やウニのトゲのように尖っています。この鋭い結晶が、体のあちこちに溜まることでさまざまな悪さをします。

  • 関節(痛風発作):血液循環が滞りやすく体温が少し低い「足の親指の付け根」などに結石が溜まりやすいのが特徴です。剥がれ落ちた結晶を白血球が敵とみなして攻撃し、関節炎が激痛を伴う「痛風発作」です。

  • 腎臓(痛風腎・結石):結晶が腎臓に溜まると腎機能が低下し、将来的に人工透析が必要になるケースもあります。また、尿路に留まると「尿路結石」となり、背中や腹部に激痛をもたらします。尿が酸性に傾くと、尿酸が溶けにくくなり腎臓や尿路で結晶化しやすくなります。

  • 血管(心血管リスク):尿酸結晶は血管の内側(内皮細胞)に慢性的な炎症を引き起こし、血管を硬く狭くさせます(動脈硬化)。これが心臓の筋肉に酸素を送る「冠動脈」で起きると、狭心症や心筋梗塞を引き起こし、全身で起きると高血圧症を引き起こします。最終的には心臓へ大きな負荷がかかり、心臓のポンプ機能が衰えて心不全へと進行することもあります。

3.今日からできる対策

対策項目具体的なアクション
水分補給1日2Lを目安に水分を摂り、尿と一緒に尿酸を排出する
プリン体の制限レバー・魚卵・干物・カツオ節・甲殻類・アルコール(特にビール)を控えめにする
有酸素運動激しい筋トレは逆効果。ウォーキングなどの軽い有酸素運動を習慣化する
ストレスケア十分な睡眠とリラックスで自律神経を整え、代謝をスムーズにする

おわりに

「痛みがない=健康」とは限りません。尿酸結晶は、自覚症状がないまま静かに血管や臓器に蓄積していきます。健康診断で数値が高かった方は放置せず、早めに医療機関を受診して生活習慣の改善や適切な治療を始めましょう。

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【この記事の監修・執筆者】
菅原 脩平(すがわら しゅうへい)
菅原内科医院 副院長

【資格・所属】

  • 日本内科学会:認定内科医・内科指導医・総合内科専門医
  • 日本肝臓学会:肝臓専門医
  • 日本消化器病学会:消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会:消化器内視鏡専門医
  • 難病指定医 / 緩和ケア講習修了 / JMECC修了
  • 福岡県医師会 会員

【略歴】

医学部卒業後、基幹病院での勤務を経て、現在は福岡市南区大橋にて「菅原内科医院」の副院長を務める。多世代にわたる医家としての知見を活かし、大橋エリアの皆様のホームドクターとして、一般内科から生活習慣病、専門的な消化器疾患まで幅広く診療を行っています。

【 Clinic Info 】
菅原内科医院(西鉄大橋駅から徒歩圏内)
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※福岡市南区大橋(西鉄大橋駅から徒歩圏内)

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