コラム

LDLコレステロールが高いと言われたら? 放置すると血管はどうなる?

「健康診断の結果、LDLコレステロール値が少し高かったけれど、どこも痛くないし、まあいいか……」と、結果を机の引き出しに眠らせていませんか?

実は、脂質異常症(高コレステロール血症)は、別名「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」と呼ばれます。自覚症状がないまま、刻一刻とあなたの血管を傷つけているからです。

今回は、コレステロールの正体と、命を守るために今日からできることについてお話しします。

1. 「血液ドロドロ」よりも怖い「血管ボロボロ」

よく「コレステロールが高いと血液がドロドロになる」と言われますが、医学的にはもう少し深刻です。 余分なLDL(悪玉)コレステロールは、血管の壁に入り込み、そこで「プラーク」という黄色い脂の塊を作ります。

これが進行すると、血管の壁は厚く、硬くなり(動脈硬化)、血管の内側はどんどん狭くなってしまいます。最終的には、そのプラークが破れて血管を塞いでしまい、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすのです。 データによれば、LDLが140mg/dL以上になると、正常な人に比べて心筋梗塞のリスクが約3倍になると報告されています。

2. 食事のポイントは『排出・防衛・置き換え』です。

【排出】体内の掃除屋(水溶性食物繊維)

これが最も重要です。コレステロールの原料となる胆汁酸をキャッチして、便と一緒に体外へ捨ててくれます。

  • 海藻類: わかめ、もずく、めかぶ

  • ネバネバ食材: 納豆、オクラ

  • きのこ類: しいたけ、しめじ、えのき(低カロリーでカサ増しにも最適)

  • 未精製の穀物: もち麦、オートミール(「β-グルカン」がLDLを直接下げると報告されています)

【防衛】血管のサビを防ぐ(抗酸化物質)

コレステロール値が高くても、それが「酸化」して血管にこびりつくのを防ぐ役割です。

  • フルーツ: りんご(ペクチン)、ブルーベリー(アントシアニン)

  • 飲み物: 緑茶(カテキンが脂質の吸収を抑え、血管を若く保ちます)

【置き換え】良い油を味方につける

「脂を断つ」のではなく、「油の種類を変える」のが現代の食事療法の主流です。

  • 青魚: サバ、イワシ、サンマ(EPA・DHAが血液をサラサラにし、中性脂肪も下げます)

  • 植物性たんぱく質: 豆腐、豆乳、厚揚げ(大豆イソフラボンや大豆たんぱくがLDL低下に寄与します)

 

 

控えるべき食事は?

 

                       トランス脂肪酸

肉の脂身や乳製品に含まれる脂は、肝臓でのコレステロール合成を促進し、LDL値を急上昇させます。

  • 肉類: 牛バラ肉、豚カツ、鶏皮、ラード

  • 乳製品: バター、生クリーム、濃厚なチーズ

  • 加工肉: ベーコン、ソーセージ、サラミ

                        飽和脂肪酸

悪玉(LDL)を増やし、善玉(HDL)を減らす、血管にとって最も避けたい脂です。

  • 菓子パン・惣菜パン: ショートニングやマーガリンが大量に使われています。

  • 洋菓子: クッキー、ケーキ、ドーナツ

  • スナック菓子: ポテトチップス、揚げ菓子

                        果糖の摂りすぎ

意外かもしれませんが、甘いもの(糖質)の摂りすぎは中性脂肪を増やし、それが回り回ってLDLを小型化(超悪玉化)させ、血管を傷つけます。

  • 甘い飲み物: コーラ、ジュース、エナジードリンク

  • 果物の食べすぎ: りんごやブルーベリーは良いですが、夜間の大量摂取や缶詰(シロップ漬け)は逆効果です。

 

 

3. 「頑張っても下がらない」のはあなたのせいではありません

「食事も運動も気をつけているのに、数値が下がらない」と悩む方もいらっしゃいます。 実は、コレステロール値には遺伝や体質(家族性高コレステロール血症など)が大きく関係している場合が多々あります。

この場合、努力不足を責める必要はありません。むしろ、血管がボロボロに傷ついて手遅れになる前に、お薬の力を借りて数値をコントロールすることが、将来の大きな病気を防ぐための「賢い投資」です。一度飲んだらやめられないことを心配しておられる方もおりますが、悩んでいる間に血管が傷んでしまい、結局将来的には他の疾患のためにもっと高い薬が必要となる可能性もあります。血管の状態を綺麗に保つことは心不全、腎不全、認知症などの疾患予防になります。

結びに

「まだ若いから」「症状がないから」と先延ばしにするのが、一番のリスクです。 当院では、お一人おひとりの生活スタイルや体質に合わせた、無理のない改善策を一緒に考えていきます。

大橋周辺には美味しい飲食店やパン屋さんも多いかと思います。 たまの楽しみは大切ですが、毎日の習慣を見直しましょう

健診結果を持って、まずは一度お気軽にご相談ください。あなたの血管の健康を、私たちが全力でサポートいたします。

りくりゅうペアの輝きの秘密は内側にあり?

『異常なし』に潜む罠。その健診でがんは見つかりますか?


【この記事の監修・執筆者】
菅原 脩平(すがわら しゅうへい)
菅原内科医院 副院長

【資格・所属】
  • 日本内科学会:認定内科医・内科指導医・総合内科専門医
  • 日本肝臓学会:肝臓専門医
  • 日本消化器病学会:消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会:消化器内視鏡専門医
  • 難病指定医 / 緩和ケア講習修了 / JMECC修了
  • 福岡県医師会 会員
【略歴】

医学部卒業後、基幹病院での勤務を経て、現在は福岡市南区大橋にて「菅原内科医院」の副院長を務める。多世代にわたる医家としての知見を活かし、大橋エリアの皆様のホームドクターとして、一般内科から生活習慣病、専門的な消化器疾患まで幅広く診療を行っています。

【 Clinic Info 】
菅原内科医院(西鉄大橋駅から徒歩圏内)
▶︎ 福岡市南区大橋の菅原内科医院 公式HP

【当院へのアクセス】

👉 ここをタップしてGoogleマップで地図を見る

※福岡市南区大橋(西鉄大橋駅から徒歩圏内)

前へ 一覧ページに戻る
top
0925415494 アクセス 診療時間
診療時間
診療時間 日祝
9:00~13:00
14:00~18:00

▲:水曜午後は院長不在、副院長のみの診療です
※受付終了時間 再診:12:45、17:45(15分前) 新患:12:30、17:30(30分前)