
コラム
春の不調は「自律神経の乱れ」かも?

1. 「5月病」の予兆は、もう始まっているかもしれません
一般的に「5月病」という言葉がありますが、最近の激しい寒暖差や、3月・4月の年度替わりに伴う環境の変化により、その予兆は年々早まっていると感じます。
新生活や仕事の環境変化、ご家族の行事など、この時期はご自身でも気づかないうちに緊張の糸が張り詰めています。こうした「変化」は、たとえ喜ばしいことであっても心身には大きな負荷となり、ふとした瞬間に不調として現れやすいのです。
2. 「検査で異常なし」でも、そのつらさは本物です
「なんとなく体がだるい」「めまいや立ちくらみがする」「お腹の調子がずっと悪い」「夜中に目が覚めてしまう」……。 こうした症状で検査を受けても「特に異常はありません」と言われ、かえって不安になった経験はありませんか?
実は、これらの不調の多くは『自律神経の乱れ』から生じていることも多いです。自律神経は、私たちの意思とは無関係に呼吸や消化、体温調節などを24時間コントロールしている重要なシステムです。環境の変化やストレスによってこのバランスが崩れると、体は全身にさまざまなサインを出し始めます。
3. 【重要】その「うつ状態」、見過ごさないでください
自律神経の乱れは、身体的な症状だけでなく、精神面にも大きく影響します。「やる気が出ない」「何をやっても楽しくない」「理由もなく落ち込む」といった「うつ状態」も、自律神経のバランスが崩れているサインかもしれません。
ここが非常に重要なポイントです。 この自律神経からくる「うつ状態」が持続すると、本格的な「うつ病」の発症につながる可能性があります。「ただの疲れだろう」「時間が経てば治るだろう」と我慢し続けることは、リスクを高めてしまいます。
そして、「うつ病」は決して特別な病気ではありません。実は、風邪をひくのと同じくらい身近で、『心の風邪』とも言われます。
「精神科や心療内科はハードルが高い」と感じるかもしれません。風邪をひいたら内科に行くように、心の不調を感じたら遠慮なく当院を頼ってください。
4. 今日からできる「自律神経を整えるセルフケア」
不調を感じたとき、医療機関を受診するのと並行して、日常生活の中でご自身の「リズム」を取り戻すことも大切です。
朝の光と「一杯の白湯(さゆ)」 起きたらまず太陽の光を浴びて、体内時計をリセットしましょう。また、朝一番にゆっくりと白湯を飲むことで、冷えていた内臓がじんわり温まり、胃腸の動きとともに「休息の神経」である副交感神経へのスイッチが入りやすくなります。
「3・5・2」の深呼吸 緊張が続くと呼吸は浅くなりがちです。「3秒吸って、5秒止めて、2秒で吐き出す」ような、ゆっくりとした深呼吸を数回繰り返すだけで、高ぶった神経が落ち着いていきます。
首の付け根を温める 自律神経の通り道である首の後ろを、蒸しタオルなどで温めてみてください。血流が良くなり、全身の緊張がふっと緩みます。
5. 「眠れない夜」を無理に耐えないで
不調の中でも特に切実なのが「不眠」です。まずはセルフケアが基本となりますが、それでも眠れない夜が続くと心身の回復が遅れてしまいます。
「睡眠薬は癖になりそうで怖い」と心配される方もいらっしゃいますが、最近では、依存性が極めて低く、自然な眠りをサポートするマイルドな西洋薬も登場しています。
まずは一時的にこれらのお薬を使い、質の良い睡眠を確保することで、自律神経の乱れを一気に立て直せることが多々あります。ずっと飲み続けるためではなく、「本来のリズムを取り戻すための助け」として、賢く取り入れるのも一つの方法です。
6. 当院が大切にしている「対話」と「漢方」のアプローチ
当院では、数値には表れにくい不調に対して、以下の二つの柱でサポートしています。
まずは「じっくりとお話を伺うこと」から 男性医師が、あなたの不安や生活環境の変化など、じっくりとお話を伺います。「こんな些細なことで受診してもいいのだろうか」と遠慮される必要はありません。
「漢方薬」によるきめ細やかな調整 自律神経の乱れやそれに伴う気分の落ち込みには、体全体のバランスを整える「漢方」が非常に有効な場合があります。「気(エネルギー)」の巡りを良くするなど、お一人おひとりの体質に合わせた、無理のない改善を目指します。
7. 最後に:自分を労わる「受診」という選択
毎日を一生懸命に過ごしている方ほど、「まだ頑張れる」と無理を重ねてしまいがちです。
ですが、医療機関は大きな病気を見つける場所であると同時に、「今の不調を和らげ、毎日を過ごしやすくするための場所」でもあります。
「いつもと違うな」と感じたら、それが身体の症状であれ、心の症状であれ、どうぞ安心してお気軽にご相談ください。あなたの健やかな毎日を、全力でサポートさせていただきます。
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【この記事の監修・執筆者】
菅原 脩平(すがわら しゅうへい)
菅原内科医院 副院長
【資格・所属】
- 日本内科学会:認定内科医・内科指導医・総合内科専門医
- 日本肝臓学会:肝臓専門医
- 日本消化器病学会:消化器病専門医
- 日本消化器内視鏡学会:消化器内視鏡専門医
- 難病指定医 / 緩和ケア講習修了 / JMECC修了
- 福岡県医師会 会員
医学部卒業後、基幹病院での勤務を経て、現在は福岡市南区大橋にて「菅原内科医院」の副院長を務める。多世代にわたる医家としての知見を活かし、大橋エリアの皆様のホームドクターとして、一般内科から生活習慣病、専門的な消化器疾患まで幅広く診療を行っています。
【 Clinic Info 】菅原内科医院(西鉄大橋駅から徒歩圏内)
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