脂質異常症
脂質異常症とは
脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質が
基準値より多い、または少ない状態を指します。
血液中に脂肪が多く含まれると、血液がドロドロの状態となり、
血管への負担が大きくなります。
この状態を放置すると、動脈硬化の進行を招き、
脳卒中や心筋梗塞など重大な病気のリスクが高まります。
かつて「高脂血症」と呼ばれていたこの病気は、
現在ではより包括的に脂質の異常を扱う「脂質異常症」という名称に
改められました。
自覚症状がなく進行する
脂質異常症
脂質異常症は、自覚症状がほとんどないまま静かに進行するため、「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれています。
年々増加しており、推定患者数は220万人以上にのぼるといわれています。
脂質異常症には、主に以下の3タイプがあります。
LDLコレステロール(悪玉)が高い
肝臓から全身へコレステロールを運ぶ役割を担っていますが、多すぎると血管壁に蓄積し、動脈硬化を引き起こします。
HDLコレステロール(善玉)が低い
血中の余分なコレステロールを回収する働きがあるため、これが不足すると血管内の掃除が不十分になります。
中性脂肪が高い
エネルギー源として重要な物質ですが、過剰になると悪玉コレステロールが小型化して血管壁に入りやすくなり、善玉コレステロールが減少することで動脈硬化の進行リスクが高まります。
脂質異常症の原因
脂質異常症は、主に以下のような生活習慣や体質が関係しています。
食事習慣
脂質や糖質が多い食事(揚げ物、洋菓子など)は、血中脂質を増加させます。
野菜・海藻・キノコなどの食物繊維を意識的に取り入れることが予防に効果的です。
運動不足
運動をしないことで基礎代謝が低下し、HDLコレステロールが減少します。
内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)になりやすくなります。
飲酒・喫煙
過度な飲酒は中性脂肪の増加につながり、喫煙は悪玉コレステロールの増加・善玉コレステロールの減少に関与します。
遺伝的体質
家族性高コレステロール血症など、遺伝的に発症するケースもあります。
痩せていても注意が必要です。
脂質異常症を放置する危険性
脂質異常症は、放置すると動脈硬化を進行させる原因になります。
特にLDLコレステロールが血管壁に入り込みやすいため、血管内に「プラーク」と呼ばれるコブが形成され、血流が狭まり、しなやかさを失っていきます。
このような状態が続くと、やがて心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす可能性があります。
血栓ができた部位によっては、命に関わる重大な合併症を引き起こす恐れもあります。
また、中性脂肪の過剰も、悪玉コレステロールの増加・善玉コレステロールの減少を促すことが知られており、間接的に動脈硬化を進める要因となります。
脂質異常症の治療法
治療は以下の2つの柱で進めていきます。
生活習慣の改善
- 脂質の多い食品を控え、食物繊維の多い食品(海藻、キノコ、こんにゃく等)を取り入れる
- 栄養バランスのとれた食事を心がける
- 有酸素運動(早歩きや水泳など)を1日30分、週3回以上
- 禁煙・節酒を意識する
これらを継続することで、脂質異常症の改善が見込まれます。
薬物療法
生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない場合や、動脈硬化のリスクが高いと判断された場合は、薬物療法を検討します。
主に以下の薬剤が使われます。
- HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)
- フィブラート系薬
- 陰イオン交換樹脂(レジン)
- 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
- ニコチン酸誘導体、EPA製剤 など
治療は患者様一人ひとりの体質やリスクに応じて調整していきます。
当院では、薬の効果や副作用について丁寧にご説明したうえで、適切な治療をご提案いたします。
脂質異常症が気になる方は、
福岡市南区大橋の
菅原内科医院へご相談ください
「健康診断でコレステロールや中性脂肪を指摘された」
「生活習慣に不安がある」
そんな方は、自覚症状がない今こそ、将来の健康のために一歩を踏み出してみませんか?
福岡市南区大橋の菅原内科医院では、患者様一人ひとりのライフスタイルに寄り添いながら、丁寧な生活指導と必要に応じた医療サポートを行っています。
自覚症状のないうちにこそ、病気の芽を見つけて防ぐことが重要です。気になることがあれば、いつでもご相談をお待ちしております。